派遣先は「北京第三発電所」。北京市中心部から南西に車で一時間ほどの郊外にある。二〇〇五年に稼働し、同社製のガスタービンを使用。出力は約三十万キロワットで、人口約三十万人分の電力をまかなえる。
同社によると、中国の発電所は、送電を管理する公的機関が求める量の電力を供給する。世界のトップ選手らが競う五輪期間中の停電は絶対に許されず、発電所の運営会社が受けるプレッシャーは相当なものという。
高砂製作所は、先月二十日に社員二人を北京に派遣した。一人は、タービンの温度や振動などのデータを分析。もう一人は、データからガスタービンの状態など を判断する役目で、期間中は三人が交代で担当する。発電所から歩ける距離にあるホテルに宿泊し、二十四時間態勢で備える。
今月二日まで タービンの状態判断を担当した同製作所サービス部の米井陽さん(56)は「日本にいれば、情報を受けて対応を決めるのに半日はかかるが、現地にいればその 場で判断できる」とメリットを強調。十五日に現地入りした同部の大月俊策さん(33)は「何かあれば、早めに検知できるよう気を付けたい。何もなく帰るこ とができれば、それが一番」と話す。(松井 元)
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